2010_10_09_

くるり / 魂のゆくえ

円熟。




くるりにはそこまで思い入れもないし、
特別詳しくもないのですが。
丁寧な文体で書いてみます。

くるりをよく聞いてたのは高校1〜2年の頃で、
ちょうどアルバム「TEAM ROCK」が出た頃でした。

もちろん僕の周りにはくるりを知ってる人がおらず、
クラスで唯一ひとりだけくるりファンのA君がいたのを思い出します。
(かなりとがったやつで、今でも元気にしてるか気になります。)

『ばらの花』あたりはがっちし聞いていたし、大好きだったのですが、
そいつから『ワールズエンド スーパーノヴァ』を借りて聴いたところ、
いたく感銘を受けまして、ドドっとハマったものです。

そっからけっこう有名になってきたくるりは、
Mステなんかにも出ちゃって、知ってる人は増えたのですが、
逆になんだかつまらなくなってしまって、
「ザ ワールド イズ マイン」を最後にぷっつり聴いておりませんでした。
(「ザ ワールド〜」は例のA君から借りて聴きました。)

(ちょこちょこCMとかラジオでくるりがかかってるのは聴いていましたが、)
しばらくのブランクを経て、この「魂のゆくえ」を聴きました。

なんとまあ懐かしいというか、
「TEAM ROCK」なんかよりもっと前のくるりから、
アシッド感を抜いた感じの極上のポップだったので驚きました。

くるりがデビューしたころはロックとデジタルがどう折衷されるか、
みたいなことをいろんなバンドが試行錯誤しているような音楽が多かった気がします。

くるりもかなりいろいろ工夫した音楽をつくっていたようですが、
感性的に刺激はされたものの、心には響きませんでした。
(『ワールズエンド〜』はアリだったけど。)

んで、最終的にくるりが「ああ、ここに帰着したか」って思わせてくれるような
ハートウォーミングな作品がこの『魂のゆくえ』だったのです。

”帰着”ってのは僕の邪推ですが、もし真実であれば、
『さよならリグレット』って曲(の歌詞)はとても沁みてくるものがあります。
そんでどれを聴いても、ああ心がこもってるな〜ってしみじみしてしまいますね。



それと同時にすごくルーズ。
いい意味で、超気が抜けてる。
そんでもって『Natsuno』みたいな素晴らしい曲をさらりと歌う、
なんだか大御所感をひしひしと感じさせます。

くるりはけっこう多作ですが、
このアルバムは平々凡々としているようで、
ある種特殊なアルバムのような気がしてなりません。
(あ、このあと、一通りアルバムを聴き返しました。)

余談ですが、
『さよならリグレット』シングル盤の3曲めの『pray』という曲は、
隠れた名曲かと勝手に思っています。

posted by Yooske at 22:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | Album | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010_10_02_

Goose Creek Symphony / Do Your Thing But Don't Touch Mine

トラウマジャケット



このバンドのことは何も知らないけれど、
ずいぶんと前に渋谷のディスクユニオンで原盤を見かけた。

その時の恐怖感といったらない。

ヒプノシス的でもない、
別に直接的なグロでもない、
なんでか非常に不気味なジャケット。

見かけたときにバンド名に「Creek」というのが付くということ、
あとCCRみたいなノリの英単語3語で構成される名前だったってこと。
この2点だけがなぜか頭に残っていた。

んで、先日この盤のことがふと頭をよぎり、
ネットでずっと探してたら、
無事邂逅するに至ることができたのです。
ネット時代に多謝・・・。

今見てもなんとなくおどろおどろしい感じが気分を害する。

機会があれば聴いてみたい。
posted by Yooske at 15:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | Album | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

想い出波止場 / ブラックハワイ

人を食ったようなアルバム(俺は食われた)



このバンドについてレビューをするというのは、
なんだか負けたような気持ちになる。

っていうのも、もうとにかくぐちゃぐちゃというか、
こんな「人を食ったような」という形容しか見つからない音楽を
まじめに評価しちゃったらどっかで笑われてしまいそうなので。

ジャケットも見て下さい。

大きなエビを担いで、なぜかロゴが「VIVA BRAZIL」・・・ブラジル万歳。

内容も聴いてください。

曲ごとにまったくアプローチを変える適当な構成。

いや、待て、適当なのか?

実はとても精密に計算されてできたアルバムなのではないか?

なんて深読みしすぎ??

・・・てな具合に∞ループの思索に耽る。
それが想い出波止場。



でもひとつ思うのは、
「ぐちゃぐちゃ」って感じるってことは、
やはりこれは「POP」ミュージックなんだろうなー、ってこと。
ノイズ? そんなんじゃないです。

ちなみに私は、『台湾ディストーション』が好き。


posted by Yooske at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | Album | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010_10_01_

Jeff Buckley / Grace

死して尚、生命を歌う。



僕はなぜだか、自分かモノを買った場所ってのをずっと覚えている。

近所のブックオフで買った「MUSIC LIFE」に、
いきなしJeff Buckleyの追悼特集が載ってて、
それがJeffとの出会い(別れにして出会い)。

けっこうなまなましい記事が載ってて、
Jeffの友人へのインタビューかなんかだったと思うけど、
Jeffと川へ行って遊んでいたらいなくなっていた。
数日後死体で・・・みたいな記事。

まあそのときは興味もなかったんだけど、
それから高校の時に通学路にあったCD屋で、
閉店するから在庫一掃セール!みたいなのをやってて、
そこでこの「Grace」が半額になっていたので、
何かの縁(?)と思って買ったのです。
(あまりいい出会いではないですね。)

帰って早速聴いてびっくりした。「声」にやられた。

「MUSIC LIFE」って雑誌は、
Half JapaneseとかGastr Del Solとかの記事も載ってて、
当時のロッキングオンとかと比べると多少オルタナな感じではあったけど、
でも大衆音楽誌という印象だったので、
Jeffの音楽もまあ「ロック」って感じだろうと思っていたのだけれど、
なんだかクラシックや教会音楽のような、とても聴かせる音楽だったので、
予想をいい意味で裏切られた感じだったのである。
というか、何よりメロコアとかを聴いていた当時の弱冠15,6歳の耳には、
かなり衝撃的な音楽であった。

「死んでしまったから」というしょーもない刷り込みのせいではなく、
強い生命の振動をコダマさせる声であった。

『Lilac Wine』の「Listen to me, why is everything so hazy?」ってフレーズ。
小刻みに揺れるどこか影をもったボーカルが本当にかっこいい。



JeffがNirvanaのカバーをする映像を見たことがあるけど、
『Last Goodbye』を聴けば、それもなんか分かる気がする。
決して「高尚」なんかじゃないんだ、このロックは。
Jeffはロックなんだって。




この人のことに言及するとき、ボーカルにばかり話がいきがちだけど、
このアルバム聴けば、
演奏・曲・バックバンドすべてが相当に輝いてるプロダクションのもと、
製作されていることがよ〜くわかる。
かなり緻密に、練って練って作られている。
とても温かい盤。
温かく、奥深い盤。
だから決して飽きがこない。
聴き飽きるどころか、聴き足りない。
いつまで聴いても到達できない境地にJeffがいる。
もうすぐ購入して10年になるが、
毎月1度は必ず通して聴く。

稀代の名盤。


posted by Yooske at 22:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | Album | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010_09_25_

The Normal / Warm Leatherette/T.V.O.D.

濃〜厚なシングル盤



Daniel Millerの「The Normal」名義でのシングル。
シングルの名盤にしてThe Normal唯一の作品。

かのMuteレーベル設立に伴い発表されたものだそうで、
そう考えると歴史を感じるというか、感慨深いというか。

というか、これで78年リリースだから恐ろしい。
どんだけ時代を先取りしてたんでしょう。ド変態。

曲は本当にミニマル中のミニマル。
反復ロック。無機質〜。
癖になってしょうがない、麻薬みたいな音楽。
ミニマルの魅力をこの曲で初めて知った。





んでこれがGrace Jonesのカバー。クール。↓↓↓



んでこれがDuran Duranのカバー。意外っ!↓↓↓



どうでもいいけど、The Normalって名前にだまされると、
アブノーマルな目にあいますよ。。。


posted by Yooske at 02:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | Album | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Sarah Blasko / As Day Follows Night

ジャケ買いしたいアルバムNo.1



ジャケットを見て欲しいと思ったら即買い必須!!!
裏切りませんっ!!!

Sarah Blaskoはシドニー出身のミュージシャン。
私もあまり詳しくありません。
本作はサードアルバムらしい。

自分自身ここまでの完全なるジャケ買いは今までない。
そして、ここまでジャケ買いが当たったことがない。
という点で非常に印象に残っているアルバム。

プロデュースはPeter, Bjorn & John のBjorn(カタカナで書くと「ビヨーン」)。
ということで少し親近感がわく人もいるのでは?

全体的にフツーなポップスにも聴こえるのですが、
どこかもやっとした陰りを感じるのがよいのでしょう。
あとドラムがやたらズンドコしている曲が多く、
美声とズンドコの絡みがとても気持ち良い。
iTunesのGeniusをかけたらThe Drumsが出てきたけど、納得。

尚、この曲はフツーな方。↓↓↓



美人やわぁ。


posted by Yooske at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | Album | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010_09_24_

Picky Picnic / Ha! Ha! Tarachine

普及(しない)の名作



こどものころ玖保キリコの漫画は何度か読んだことがある。
こどものころに使っていた布団は玖保キリコの漫画のキャラの絵だった。
こどものころバレンタインにもらったチョコのパッケージが玖保キリコ画だった。
(これマジ)

なんでか自分の周りには結構玖保キリコの「キャラ」モノがたくさんあった。

果たして20年弱後、長期間のブランクを経て、
私は玖保キリコの「ロック」を聴いていた。
(製作は85年ごろ、つまり生まれる前だけどね・・・)

なんだか聴いているととてつもない気持ちの良い覚醒を覚えるのは、
玖保キリコの創作がもつ「こどものピュアさ」が引き出す
「エグさ」みたいな毒の要素故のみならず、
単純に幼少期のぼやりとした気持ちの悪い記憶が蘇るということも
相まってのことだと思う。

っていうのも考え過ぎで、
ただ単に童謡だった、って落ちなのかもしれない。

まあそんなことはどうでもよくて、
とにかく未だにフォロワーも現れないし、
Amazon.comにも出ていない不朽の名作。

チープな打ち込みと変声Vo.による超絶POPが特徴だが、
たま〜にシリアスな側面も覗かせる。
個人的にはレコードB面の4曲目「オールナイト・プレイヤー」がお勧め!
なかなか売ってないし、
自分も汚いレコード屋で発見した次第だが、
ネタではなく、本当に聴く価値は、間違いなくある。




posted by Yooske at 23:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | Album | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010_09_22_

John Wiese / Soft Punk

ノイズを操っておる...



このノイズはここ、あのノイズはこのタイミング、、、という具合に、
ノイズの適材適所を知り尽くし、
「ハーシュ」を「エクスタシー」に変える魔法を使えるミュージシャン(?)、
それがJohn Wiese ――だと勝手に思っている。



冒頭に書いたとおり、本当にノイズを操っている。
適当に出している音では、絶対ない、
そう思わされるだけの充実した、計算された何かがある。

サンプリングであればともかく、
工場で何かを切削するような音や、
金属をチェインソーとハンマーでぶち砕くようなこの定義し難い音を
これだけ自在に想いのまま操るということは、
並大抵の感覚でできるものではない。
どれだけギターを流暢に弾くよりも、
ある種、難しいのではないかと思う。

音のファクターを見ても、総体を見ても、
どこまで行っても決してPOPではない、永遠のオルタナティブ。
だけど当の本人はまるでPOP職人のように丁寧に音を紡ぐ。

この音が好き、とかそういうことより、
存在していることに意義を感じる。


posted by Yooske at 12:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | Album | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010_09_21_

浜田真理子 / あなたへ

僕が聴きたかったラブソング集



今この文章書こうと思ったら、
仕事の癖で「お疲れ様です。」から入ろうとしてしまった。。。
病気です。

さてそれはいいとして、浜田真理子の「あなたへ」。
中四国エリアローカルをベースに活動するシンガーソングライターの作品です。
曲はピアノオンリーの弾き語り。

静岡に来てから初めて聴くようになったのですが、
最初に買ったアルバムがこの「あなたへ」でした。

非常に聴きやすくしっとりとまとまったアルバムで、
喧騒から離れたいとき、いつも聴いていた。
テーマは「あなたへ」ということで、
「わたし」と「あなた」の2者が主人公のラブソングがメイン。
こういうアルバムのまとめ方する人、最近少ないですよね。

とにかく、日本語と歌声が<美しい>。
ファーストアルバムでは流暢な英語を披露しているのですが、
断然個人的にはこのセカンドの流麗な日本語が心を打つ。

美し過ぎて、ピュア過ぎて、時折太陽の光のように厳しさを照りつける。
母親のような大きなこころで。

返せ 私のこころを 置いてゆけ
 あなたに あげるつもりの こころでは なかったのだ
」(『あしくび』より引用)
涙の代わりに こころで血を流す」(『Fruitless love』より引用)
そんな中途半端な愛なら どうぞ持ってお帰り下さい
 そんな中途半端な愛でも 喜ぶ誰かにおあげなさい
」(『純愛』より引用)
目を閉じて わたしのこころに
 愛の詰まった わたしのこころに 聞いてみよう
 するとこころはこう言った 
 『なぜ理由がなくてはならないのか』と
」(『理由』より引用)

何かハッとする想いに、我を失い、そして取り戻す。
でもそんな<エセの優しさ>だけではないラブソングを僕は聴きたかったのです。

歌声が<美しい>と前述したが、同時に歌声の迫力がすごい。
いや、さらりと聴いても分からないのだが、
(寧ろオシャレなジャズ喫茶のBGMのようにさらりとも聴けてしまう自然な歌声)
あとから心に引っかかってくる言葉と声の重み。そして包容。

ピアノの音とともに空気を破り、皮膚を破り、内臓を破り、
心の芯の真に突き刺さり沁みてくる。

このアルバム収録の『月の記憶』という曲は「あなた」と「わたし」を、
「太陽」と「月」に喩え唄った名曲。(おそらく一番有名。)
え、、有りがちな比喩ですって・・・?
確かにそうなんですけど、それが単純にそういうわけでもないのです。

語感や修辞の美しさの演出のために比喩を駆使しているだけの曲ではないのです。



ファーストもサードも名作。(4作目は未聴)
テーマはすべて異なる。
商業からは2、3歩距離を置いている。

<唄いたいこと>をしっかり持っているから、
TVへの露出が増えても、
音源が売れるようになっても、
テクノロジーが一層進化しても、
ローカルベースの活動はやめないだろうし、
作風を変えるということもないだろう。
ずっと浜田真理子のままであり続ける、そんな気がします。


posted by Yooske at 23:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | Album | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010_09_19_

Phew / 秘密のナイフ

ジャケット見るとやっぱ美人だなぁ



Phewというシンガーの歌声の側面がフルに発揮されているアルバム。
一つ一つ丁寧に言葉を紡ぐPhewの歌唱は、本当に唯一無二だ。

しっとりした構成の中で一際目立つパンク精神を発揮した
『ひとのにせもの』で「もううんざりだ」「もう飽き飽きだ」
と叫ぶPhewの熱唱は、『夢の成る丘』で「くだらねえ!くだらねえ!」と叫ぶ
突然段ボールの故・蔦木栄一氏と共鳴して聴こえる。
発売時期といい、籍を置いていたレーベルと言い、アルバムの構成と言い、
突然段ボールの「抑止音力」と対で聴きたいアルバム、ってのは考え過ぎ?!
(「ひとのにせもの」、「ゆめのなるおか」なんか語感が、、、
え?もういい、うるせぇ黙れって?)

↓はこのアルバムの曲じゃあないけど、
山本精一参加のNOVO TONOってバンドの「パノラマパラダイス」
ってアルバムの中の曲。(これもまた名盤でやんす)
この曲だけ羅針盤みたいなんだよなー。



近藤達郎、西村雄介、山本久土、植村昌弘、大友良英、と
参加メンバーもすごい。スターリン臭も若干。
植村氏のパーカッションが個人的には美しさを増幅させていると思う。


posted by Yooske at 23:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | Album | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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